レモン彗星がやって来た!
ネット上でも話題になってきたレモン彗星がいよいよ地球へ近づいてきました!
しばらくは夜明け前の早朝に見えていたこの彗星は、地球への接近直前に日没後の西の空へ姿を移してきました。地球への最接近(近地点)は10月21日午前10時(日本時間)ごろでその距離は約8,900万キロメートルです。近いと言っても地球と月の距離(約38万キロメートル)の234倍も遠いため、去年話題を集めた紫金山・アトラス彗星(近地点距離約7,100万キロメートル)ほどではなさそうです。ただ、彗星という天体は地球とは違い揮発成分が多いため、太陽のエネルギー(太陽風を含め)を受けてコマやテイル(尾)を形作っていきますので、太陽表面の爆発現象(フレア)が発生すると彗星そのものの突発的に明るく輝きだしたり、強烈な熱エネルギーにより最悪消滅してしまうことすら過去には起きています。今年2025年は太陽活動極大期にあたっていますのでこの彗星の動向には不安定要素が付きまといます。レモン彗星の太陽に一番近づく(近日点)のが11月8日なので、この日までに何かが起きなければ太陽から次第に遠ざかり、 次はおよそ1,100年後に地球との再会を果たすことでしょう。

この彗星の見え方は図のように、日毎に南方向へ位置を変えていきます。午後7時過ぎは薄明も終了しており淡い彗星の姿を見つけやすくなりますが、現在までのところ4等級という予想ですので肉眼での確認はかなり困難を極めると思われます。双眼鏡を使い、西北西の空低くに見える1等星アークトゥルスを基準に視野をゆっくりと動かしてくと見つけられることでしょう。